一般住宅はもちろん、会社や工場など、電気を使う場所には「スマートメーター」と呼ばれる通信機能を備えた電力メーターが設置されています。これは30分おきに電気の使用量を計測し、そのデータを自動的に電力会社に送るシステムで、電力会社はそのデータをもとに電気料金を計算します。私たち品質保証グループは、この機器に使用されるハードウエア・ソフトウエアの仕様に問題がないかをチェックしています。入社した頃は、ちょうど電力自由化がスタートし、古い電力メーターからスマートメーターへと急ピッチで切り替えが行われていた時期。機器を製造している中国の工場まで品質チェックをしに行くこともありました。現在は、機器の導入がほぼ終了し、システムが安定して稼働するよう見守る保守・運用業務がメインです。スマートメーターは、2,900万台にも及ぶ世界最大の通信システム。「品質保証ができているもの」という印を押す責任の重さを感じながら、多くの人々の生活に関わるシステムを守っていることに誇りを持ち、取り組んでいます。大学院では、医療用の生体材料の拒絶反応を軽減する方法を研究。東芝エネルギーシステムズ株式会社スマートメーター通信システム部スマートメーター通信システム品質保証グループ スペシャリスト機械サイエンス専攻(現 機械工学専攻)卒業藤巻 果織さん電力メーターに使われるハード・ソフトの品質をチェックしています他部署との連携を深めるために、業務内容をプレゼンし合うことも。大学時代に「考える力」「伝える力」が磨かれました 学部では機械工学を学び、研究室では医療用の生体材料について研究していました。研究テーマは先生などから与えられるわけではなく、自分で見つけなくてはなりません。いろいろな論文を読んだり先輩の話を聞いたりしながら、これからの社会で求められるテーマにたどり着きました。そのおかげで自分で考え、計画を立てて研究を進める自主性が身につきました。特に修士時代は、学会発表など人前で発表するといった機会が多くあり、その経験は現在の仕事にも役立っています。就職活動では幅広い業界を見ていくうちに、社会に貢献できる「ものづくり」に魅力を感じ、メーカーを志望しました。研究した分野とはあまり関連はなかったので、入社当時は苦労しましたが、8年目を迎えた今は、仕事全体を俯瞰して見られるようになりました。女性が働きやすい環境が整っていることもこの会社の魅力の1つ。結婚や子育てをしながらバランスよく働いている先輩社員がたくさんいます。今後もさまざまな経験を積みながら、仕事も人生も充実させていきたいと思います。MESSAGE FROM GRADUATES102多くの人の生活に関わる巨大システムを守る仕事にやりがいを感じています卒業生からのメッセージ
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