今、宇宙ビジネスは世界から注目され、急成長が期待されています。ところが、高品質な人工衛星の設計・製造・運用を支える「高度技術者」の人材不足が大きな問題となっています。高度技術者とは「さまざまな分野の複雑な技術・システムを組み合わせながら、総合的な視点を持ってアウトプットできるシステム人材」のこと。そこで千葉工業大学では、2021年度から日本の宇宙産業の基盤を支える高度技術者の育成プロジェクトを開始しました。 ミッションは参加学生が自分たちで企画・設計・製造した「必ず動く人工衛星」を打ち上げて運用すること。すでに4号機まで準備が進められており、2号機「KASHIWA」は2024年春にアメリカで打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)へ。その後、ISSから無事に放出されました。衛星軌道での測位や地磁気観測などの運用が見込まれています。その他、宇宙関連企業との共同開発など産業界との連携を強化し、高度技術者を社会に継続的に輩出できる仕組みを整えています。 宇宙産業は急成長を遂げている分野であり、現在の世界市場規模が約40兆円、2050年には約83兆円、宇宙関連ビジネスまで含めると約200兆円の巨大市場になることが予測されています。日本の宇宙産業の市場規模も2050年には約4兆円という政府目標が掲げられており、10万人を超える人材が必要となる見通しです。アーキテクトの需要は世界規模で高まっており、その素養を身につけた高度技術者は、さまざまな分野で活躍できます。 衛星からのリモートセンシング画像により効率的・戦略的な農作業の実現 より高性能なGPSやカーナビを使った安全な自動運転、位置確認の開発 衛星網を使ったインターネットやIoTによる全地球ネットワーク化 衛星からのリモートセンシング画像を活用した災害時の状況把握014農業宇宙産業を支える高度技術者を育てる宇宙ビジネスが今、熱い宇宙ビジネスの応用交通通信・放送防災高度技術者育成プログラム
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