令和7年度 創造選抜 過去問題
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Txdd受験番号 氏 名 令和7年度 千葉工業大学 総合型(創造)選抜 模擬講義および演習 (試験時間80分) 【問題】 模擬講義で説明した「伝熱工学」について,つぎの問いに答えよ.なお,解答に際して模擬講義で作成した講義ノートを参照してよい. 問題1 つぎの状況のそれぞれについて,生じている伝熱現象を説明せよ.なお,説明においては,伝熱形態の名称(熱伝導・対流熱伝達・ふく射伝熱)を少なくとも1つ用いること. ①炎天下,ひとが扇子であおいで涼んでいる問題2 暖房の省エネルギー化について,伝熱工学の観点から検討してみる.床面が一辺10 mの正方形で,高さ3 mの壁と天井で覆われた直方体の家を考える.家全体は厚さ100 mmのコンクリート[熱伝導率k = 2 W/(m·K)]壁により覆われており,床面および天井は断熱とみなすことができる.壁内側(室内)の温度は20 °C,壁外側(室外)の温度は0 °Cであった.このとき,熱伝導により,壁内側(室内)から壁外側(室外)に伝わる熱量を評価したい.つぎの文章の空欄に適切な文字式,または物理量(数値と単位)を書け. 温度勾配 の大きさは,壁内側(室内)と壁外側(室外)の温度差 DTおよび壁の厚さLを用いて( ① )と表現することができる.このことから,1次元定常熱伝導を考えた場合,フーリエの法則より,熱流束 q の大きさは,熱伝導率k・温度差DT・壁の厚さLを用いて( ② )と表現することができる.この熱流束 q の式に,熱伝導率k・温度差DT・壁の厚さLの値を代入すると,熱流束 q の大きさは( ③ )となる. この熱流束 q の大きさに熱が通過する面積Aを乗ずれば,室内から室外への伝熱量 Q の大きさを求めることができる.本問題で考えている家では,壁の1面の面積が10 m×3 mで,その壁が4面あることから,熱が通過する面積としてA = 10 m×3 m×4を採用すると,伝熱量 Q の大きさは( ④ )となる. このように壁内側(室内)から壁外側(室外)に熱が移動することから,室内を20 °Cに保つためには暖房を続ける必要がある.ここまでは,壁が厚さ100 mmのコンクリート[熱伝導率k = 2 W/(m·K)]であるとしてきたが,厚さ100 mmのウレタンフォーム断熱材[熱伝導率k = 0.02 W/(m·K)]の壁に変更すると,伝熱量Qの大きさは( ⑤ )となる.このように,壁の材料を変更することで省エネを実現できるようになる. 問題3 模擬講義「伝熱工学」の知識は,身近な現象の説明にも利用することができる. 右の写真のような金属製のフライパンの「取っ手(柄)」が熱くないようにするには,どうしたらよいか提案せよ.また,この提案の理由について,伝熱工学の観点から説明せよ. 工学部 機械工学科 ②金網の上に置かれたステーキ肉が炎で焼かれている③コンピューターの内部でチップがファンにより冷却されている-6 -

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